リビングダイニング
正面の収納は改装前の建具をそのまま使用した。
実は何度目かのリフォームなんだよ。と仰るご主人。
築およそ40年の家は、お座敷の畳はフローリング化し、水廻りもバリアフリー化が済んでいて、一見してお困り事はなさそうにみえる。
断熱気密について読み込み勉強してこられたI様は、今度こそは「やっぱりこうしておけばよかった」という悔いを残したくない、と現状とご要望を語り始めた。
まず第一優先は断熱気密。
見えないところの調査と対策、使いやすいキッチン空間、お孫さんが来た時に泊まれるところ、隣家の屋根に雪が落ちる問題…。
何度かリフォームしてきたからこそ思う、今度こそ最後にしたいというお気持ちをいただき、プランニング。
お困りごとの解決だけがリノベーションではなく、さらに「お気に入り」スポットを足していき、I様邸が完成した。
[ POINT ] 断熱気密化、防湿防蟻処理、家族の集まる家、趣味スペース
築年数:37年
規模:木造(在来)2階建、延べ面積:153.19m2
改装範囲:1階:お座敷2部屋+和室→LDK化/台所→クローゼット×2部屋/和室→洋室(寝室)
主な仕様:ハウスインハウス断熱パネル(床壁天井)を使用した断熱気密化
床:無垢フローリング/壁・天井:ビニルクロス貼
補助金:次世代建材(国)
タイプ:住みながらリノベ
改装期間:2020年11月~2021年1月
正面の収納は改装前の建具をそのまま使用した。
ダイニングスペース。向かって左側のカウンターは、奥様のフラワーアレンジの作業スペース。
ダイニング側からキッチンを覗く。キッチンのものが見えないように、でも会話ができるように、とのご要望から生まれた小窓。
奥様の好きなグリーンを採用し、ダイニング側より少しやわらかい印象に。
キッチンのバックキャビネット。元々床の間だったこのスペースには、システム収納ではなく、造作のカウンター+棚をつくり、木のやわらかな風合いを残した。
ご夫妻が工房にオーダーしたステンドグラスを扉にはめ込んだ、I様お気に入りのところ。
もともと大きな窓が3面にある和室だったが、プライベート感のある落ち着いた空間になった。
階段下の収納。扉を抜けると浴室・洗面スペースへ行くことができる。
壁・柱は職人の手で塗り替えた。正面の背の高い扉は2階につながる階段になっており、住みながらリノベを実現するために最初に付けた扉。